「大学のシステム部門の仕事って楽そうだよね」
私が大学へ転職してから知人によく言われる言葉ですが、回答は決まっていて毎回「まあ前職に比べれば…」です。
確かに私も転職してから終電帰りは減りましたし、お給料にも光が見えてきました。※前の会社では昇給なんて都市伝説でした(笑)が、今は1年ごとに1万円以上昇給していきます。
しかしやはり大人のお仕事、悩みのポイントが変わっただけで大変なことには変わりがありません。
そこで今回は、大学職員の中でも私が担当する『情報システム部門』の業務内容と、その業務においてストレスでハゲそうになるポイントの2つをご紹介します。
大学の情報システム部門への転職を考えている方は、ぜひ参考にして頂ければと思います。
また、システム部門以外の部署を希望している方でも、大学特有の風土について記述しているので参考になるかと思います…!
私の部署の業務内容
さて、ITと言ってもネットワーク系、サーバ系、アプリ系など、様々な分野を想像されるかと思いますが、大学のIT業務に至ってはマネージャの業務要素が強くなります。
もちろんテクニカルな業務要素もありますが、機器の運用保守は、大抵どこの大学も委託しているかと思います。
その上で、うちの大学の職員が担当している業務の一例は以下のとおりです。
テクニカル系のお仕事
ヘルプデスク対応
教員、職員、学生から問合せが来るので答えます。学内の〇〇システムが動かない、Wi-Fiが繋がらない等の対応です。
ストレスポイント
イチローの全盛期の打率ばりに、問合せてくる人が怒っている割合が高いです。システムに疎いおじいちゃん先生だと尚最悪で、問合せの内容もかなり漠然としているので、障害の切り分けが困難です。
インターネットに繋がらない(怒号)
マウスが動かない(咆哮)
パソコンが起動しない(狂乱)
落ち着いて低いレイヤから切り分けしていくのですが、一方的にギャーギャー騒がれると、あまり良い気はしないです。
当然ですが、「デフォゲにPINGが飛びますか?」なんて言っても通じません。
ハード面の運用管理
基本的に何でも屋です。
学内に設置しているサーバやスイッチ・ルータ、プリンタなどの管理をします。
エラーログが出ていないか、ディスクが壊れていないか、SSL証明書の期限は大丈夫か等…これがまた絶望的な数量です。
しかもキャンパスの到るところに機器が潜伏しているため、サルベージもしんどいドラゴンボール状態です。
ストレスポイント
ハードが古いときたら機器の更改をしたいところですが、大学のお財布面で法人側が立ちはだかります。
基本的にサーバの様な高額な機器は、8年近く使わないとなかなか更改のお許しが出ません。8年ですよ8年。W杯が2回来てしまう…
まあ危機的状況を説明すれば更改させてくれるのですが、裏を返すとそこまで必死に説明しないとお許しが出ないのです。
なんなら嫌な顔をされます。いや、大学のことを考えて言っているのですが…
マネージャ系のお仕事
各部署の新規システム導入の検討
各部署から「現行の、~の業務をシステム化したい」等の依頼を受けてヒアリングを実施し、導入業者との打ち合わせを踏まえてシステムの大枠の構想を決定し、
来年度の予算確保のために法人側に説明します。無事予算が確保できたら、具体的な導入のスケジュールや運用方法等を検討します。
ストレスポイント
学内の関係部署及びベンダとの調整と、システムそのものについて検討すべき点が多く、当該プロジェクトに縛られる時間が多くなります。
というのはシステム部署というポジション上仕方ないと思うのですが、関係部署の教職員の対応が乱暴すぎてストレスマッハGoGoGoになります。
そもそもシステム導入とは人員も費用も時間も要するため、個人的には時間をかけて検討してから本格始動するものと考えているのですが、
うちの大学では依頼内容を口頭の説明のみで行い、「~までに導入したい!はいじゃあよろしくゥ!」というのが大半です。
うせやろ?その業務の現状説明は?このシステムを導入することの費用対効果は?予算はどうするの?運用はどこがするの?
と挙げたらキリがないのですが、システム導入までのプロセスを全部すっ飛ばして丸投げされます。
ちょっと待って!をかけてじっくりとヒアリングから始めるのですが、「システムのことはわからないからそちらが考えて」と、これまた嫌な顔をされます。
最後に
いかがでしたでしょうか。「え、こんなに業務範囲がこんなに広いの?」と思う人もいれば、「こんなん余裕やろ!」と思う人もいるかと思います。
ただ、大学というフィールドにおける業務について、しんどいのは間違いなく「業務量」ではなく「対人関係」です。
今あなたが考えている以上、話が通じない変な人と一緒に仕事をしなくてはいけません。大学職員への転職を考えている人は、そこだけ覚悟していた方が良いと思います。
それでは!
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